最新の研究業績

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2023/8/8

先日開催された第65回日本平滑筋学会大会において獣医生化学講座江藤真澄教授が同学会誌の優秀論文賞を受賞しました。本論文は、竹谷浩介講師と田中良法助教の協力をうけ、準正課プログラムi-LAPを使って参加した獣医学科勝木秀一さん、宮川ゆいさん、獣医保健看護学科大橋南海さんの研究成果をまとめたもので、血圧の調節に働くホスファターゼ調節タンパク質CPI-17のN-/C-末端の天然変性領域の生理的な機能の解析からこのタンパク質ファミリーの分子進化について議論した報告です。動物によって異なる血圧調節機構の解明につながることが期待されます。

2023/8/8

8月4・5日に東京大学農学部弥生講堂にて開催された第65回日本平滑筋学会に獣医薬理学・獣医生化学講座に所属する獣医学科・獣医保健看護学科の1期生森北奈佑さん、関美宙さん、キムヘビンさん、海堀美樹さん、飯森愛梨さん、大橋南海さんが卒論・修論研究の内容を発表しました。獣医薬理学講座水野理介教授の企画シンポジウム講演を合わせて医学・獣医学を含む多くの平滑筋関連研究者より大変有用な議論をいただくと共に、学生の研究に対する情熱に関して多くの賞賛のお言葉をいただきました。本学部が世界の平滑筋研究の拠点の一つとして認識されるきっかけとなる学会でした。

2023/7/31

獣医学科6年生の山本美羽さんが獣医創薬学講座の藤原信行講師の指導の下で行った研究成果がJournal of Veterinary Medical Science誌に採択されました。本研究では悪性度の高いイヌのメラノーマに着目し、ガン細胞の脱リン酸化酵素であるPP6の発現を抑制すると抗がん剤Trametinibに対する感受性が低下することを発見しました。本研究成果からイヌのメラノーマ治療におけるより効果的な治療戦略が開発されることが期待されます。

この研究成果に関するURL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37495516/

2023/7/31

獣医実験動物学講座に所属する獣医学科6年生の藤原渓さん、5年生の永戸ゆり子さん、櫛笥悠人さんは伊豆准教授の指導の下第55回日本結合組織学会で研究成果を発表しました。櫛笥悠人さんの研究課題「XII型コラーゲン欠損は全身の脂質代謝を破綻させることでmEDSの筋脆弱症を引き起こす」がYoung Investigator賞を受賞しました。この賞は40歳以下の研究者の中で選考される学術賞であり、本研究と発表が高く評価されたものです。本研究は獣医薬理学講座水野理介先生、獣医毒性学齋藤文代先生、愛媛大学今井祐記先生、酒井大史先生、岡山大学百田龍輔先生との共同研究の成果です。今後の研究の発展と櫛笥さんのますますの活躍が期待されます。

2023/7/12

獣医学科実験動物学講座の伊豆准教授がケルン大学のコッホ教授らとの共同研究成果がiScienceに掲載されました。本研究は、XII型コラーゲン欠損マウスの解析から、膝関節の細胞外マトリクス成分が変化し膝蓋骨の亜脱臼と大腿四頭筋の変性を引き起こすことを明らかにしました。また、XII型コラーゲン遺伝子変異で発症するミオパチー型エーラス・ダンロス症候群の患者さんにおいても膝蓋骨亜脱臼が認められたことから、種を超えてXII型コラーゲンの膝関節における重要性を示したものです。膝疾患は医学および獣医学領域ともに罹患数が多い疾患であることから、本研究のさらなる推進により病態理解と医学・獣医学への貢献が期待されます。

この研究成果に関するURL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004223013020

2023/6/30

向田昌司講師(獣医薬理学教室)は、2023年度三菱財団自然科学研究助成に採択されることとなりました。本研究助成は、自然科学のすべての分野にかかわる独創的かつ先駆的研究を支援しており、向田講師は、一般助成での採択となりました。研究タイトルは、「血管伸展性消失の新規分子機構の解明」であり、血管生物学の新展開のみならず超高齢社会が直面する循環器疾患の予防に寄与する研究として評価されました。今後の向田先生および獣医薬理学教室の血管伸展性再生研究の発展が期待されます。

2023/6/30

獣医学科実験動物学講座の伊豆准教授が信州大学医学部遺伝医学教室の古庄知己教授らとの共同研究成果がAmerican Journal of Medical Geneticsに掲載されました。本研究は、XII型コラーゲン遺伝子変異で発症するミオパチー型エーラス・ダンロス症候群の患者さんの遺伝子解析から、新たな遺伝子変異を同定したものです。ミオパチー型エーラス・ダンロス症候群は2017年に厚労省指定難病に分類された疾患であり、本研究の患者さんは日本で初の症例です。この研究は、ヒト疾患であるミオパチー型エーラス・ダンロス症候群の病態解明に寄与するとともに、獣医療におけるエーラス・ダンロス症候群の病態の理解にも繋がることが期待されます。

本研究成果に関するURL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ajmg.a.63328?campaign=wolearlyview

2023/6/14

獣医学科中村新一講師が、公益財団法人山陽放送学術文化・スポーツ振興財団の学術奨励賞を受賞しました。同講師の研究テーマは、『鶏の生殖器由来腫瘍の発生起源に関する検討:ヒトの卵巣がんモデルとなる可能性の模索』です。今後の研究の発展が期待されます。

2023/6/14

獣医学科嘉手苅助教への民間研究費の助成が採択されました。嘉手苅助教には、日本私立学校振興・共済事業団の若手・女性研究者奨励金が授与されました。同助教の研究テーマは、『天然記念物「岩国のシロヘビ」保全のための病理学的解析』です。今後の研究の発展が期待されます。

2023/6/9

獣医学科動物衛生学講座の国枝教授がオーストリア ウィーン獣医学大学のBarbara Wallner 教授らと実施した共同研究の成果である”Refining the evolutionary tree of the horse Y chromosome” (ウマY染色体の進化系統樹の再構築)がScientific Reports誌に掲載されました。この研究は、世界20ヶ国以上の研究者による国際共同研究として実施されたもので、ユーラシア大陸の各地で飼育されてきた在来馬のY染色体は非常に多様性に富み固有のDNA配列を持つことを明らかにすると共に、ウマの家畜化の起源に関する新たな知見を得たものです。

本研究成果に関するURL:

https://www.nature.com/articles/s41598-023-35539-0

2023/6/9

獣医保健看護学科の木村展之教授は山口大学のグループとの共同研究の成果をJ Biochem誌に発表しました。タイトル「Age-related alterations in protein phosphatase 2A methylation levels in brains of cynomolgus monkeys: a pilot study」では、老化に伴うサルの脳内でのPP2Aのメチル化レベルの変化を初めて明らかにした画期的な研究です。ADやDLBの発症において、異常なPP2Aの活性が関与していることは知られていましたが、老化とPP2Aの関係は詳しく研究されていませんでした。これらの発見は、老化とPP2Aのメチル化の関連性を示すだけでなく、ADやDLBの病態解明にも重要な示唆を与えるものです。さらに、サルを用いたモデルは、人間の脳の老化研究において有用なツールとなる可能性があります。この研究は、新たな治療法や予防策の開発に向けた重要な基礎となるものです。

本研究成果に関するURL:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36702627/

2023/6/2

獣医生化学講座の江藤教授と韓国Keimyung University School of MedicineのDr. Jee In Kimとの共同研究結果の論文がBiomedicine & Pharmacotherapyに掲載されました。本研究では、高脂質負荷による高血圧発症ラットの病態機序の解明に取り組み、生化学・分子生物学・生理学手法を用いてHDAC1/c-mycシグナル経路が高血圧発症の鍵となるアンジオテンシンの発現の原因になること、およびこれらを阻害すると高脂肪負荷高血圧症の発症を抑制できることを示しました。この知見はペットの生活習慣病治療の新しい戦略開発に役立つと期待されます。

本研究成果に関するURL:

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0753332223007163

2023/4/7

獣医学科江藤教授が情報理工学科赤木教授、趙准教授,久野准教授、横田助教、及び獣医保健看護学科古本准教授、久枝准教授、佐伯講師、獣医学科朱助手と共に計画した獣工連携共同研究プロジェクト「新学術領域,獣医療工学・獣医療福祉工学の創生に向けた社会実装型動物関連デバイスの開発」が2023年度岡山理科大学プロジェクト研究推進事業に採択されました。本研究計画では、3学科、9名の教員が学科の壁を越えて協力し、昨年より【いきものQOLプロジェクト】として実施してきた事業の一環として、動物の生活の質を向上させるための5つのデバイス開発に取り組みます。本研究成果は獣医療工学・獣医療福祉工学という全く新しい学術分野の萌芽に寄与するだけではなく、地域産業界へシーズ提案できることが期待されます。

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