岡山理科大学獣医学部

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公衆衛生学講座

公衆衛生学は取り扱う内容が多岐に渡る学問分野です。例えば、海外では、医学系大学院と同等に公衆衛生学大学院が存在する所もあります。その内容は、疫学、感染症、環境保健、予防医学、健康増進、人口統計、死因統計、国民栄養、食品衛生、母子保健、高齢者福祉・保健・介護保険、精神保健、学校保健、産業保健、公衆衛生行政、国際保健、地域保健、法規、社会保障、医療経済、災害保健、生命倫理などあり、国(各省庁)や都道府県や市町村が実際に行なっていることが多く含まれ、毎日のようにニュースなどで目にします。獣医や獣医保健看護に特に関係する分野としては、感染症や食品衛生が挙げられます。また、公衆衛生学では、データを客観的に判断するために使用する統計学も多くの手法が使用されます。公衆衛生学講座が担当する講義では、一般的な公衆衛生学に加え、公衆衛生学における獣医やVPPの役割などを学生の皆さんと共に考えながら進めていきたいと思います。
 公衆衛生学講座で行なっている研究には、環境化学物質とアレルギー疾患、酸化ストレスと疾患、生活習慣や栄養と疾患(健康影響)があります。疾病や健康影響の要因を調べて、将来的にその対策につなげる予防医学に関する研究を多く実施しています。具体的には、次のようなテーマで行っています。

1.大気粉塵中化学物質(多環芳香族炭化水素類や重金属)の健康影響(神林)
石川県金沢市で環境化学物質と慢性咳嗽(アトピー咳、咳喘息、気管支喘息)患者の症状の関連について調べています。また、環境化学物質のベトナム住民への健康影響を調べていく予定で、金沢大学とハイフォン医科薬科大学と準備を進めています。ハイボリュームエアサンプラーを用いて大気粉塵を集めて、そこに含まれる化学物質の分析を行います。基本属性や症状については、質問票や症状の日記を用いて記録します。臨床データや、国などが収集している大気汚染物質情報や気象情報も収集し、必要なデータを用いて統計解析を行うことにより、化学物質と症状(健康影響)の関連を調べています。

 2.多環芳香族炭化水素類による気管支喘息の症状悪化に対する酸化ストレスの関与(神林)
好酸球様培養細胞を用いて多環芳香族炭化水素類が酸化ストレスを引き起こし、脂質酸化物を産生するか、マウスを用いて多環芳香族炭化水素類による気管支喘息の症状悪化に酸化ストレスで生じる脂質酸化物が関与するか、抗酸化物質の変動はどうなっているかなど調べていく予定です。マウス喘息モデルを用いた実験では、Th2系サイトカインや、肺への細胞浸潤などの気管支喘息の指標と比較する予定です。

 3.日用品に抗菌薬として含まれるパラベンとアレルギー疾患(神林)
石川県能登の志賀町コホート研究の1つのテーマとして実施しています。40歳以上を対象とした横断研究で、石鹸や化粧品などの日用品に抗菌薬として含まれるパラベンとアレルギー疾患が関連することを報告しました。今後は、尿中のパラベンを用いてアレルギー疾患との関連を調べていく予定です。また、乳幼児を対象として、調査票や尿排出物を用いた縦断研究で、パラベンによるアレルギー疾患の発症に関する研究のデータ収集や解析も進めています。

4. 志賀町コホート研究(プロジェクトS.H.I.P)(神林)
石川県能登の志賀町で全年齢を対象としたコホート研究を実施しています。金沢大学医学系の基礎と臨床、薬学系、保健学系、工学系、文系の教室、筑波大学や慶應大学などの教室との共同研究で、調査票(基本属性、生活習慣、食習慣データ、痛みなど)によるデータ、本調査研究で実施する検診による血液データ、その他の臨床データ、遺伝子情報、睡眠に関するデータ、住環境に関するデータ、病院データ、市町村の健康に関するデータなどが得られています。これらのデータを用いて統計解析を行い、健康状況や種々の疾患との関連を調べています。

 5.生活習慣病に関する実験的研究(髙橋)

 6.分子疫学研究(髙橋)

 7.統計解析ソフトRを用いた生物情報学的な解析(髙橋)

担当講義・実習

神林
[獣医学科]
・獣医公衆衛生学総論
・獣医公衆衛生学実習(科目責任者:分担)
・生物統計学(予定)
・食品衛生学実習(分担)
・セキュリティ学
・グローバル食品管理科学
・国際生物資源学(分担)
・公共獣医事情解析実習(科目責任者:分担)
[獣医保健看護学科]
・生物統計学(予定)


髙橋
[獣医学科]
・情報リテラシー
・獣医公衆衛生学実習(分担)
・食品衛生学実習(分担)
・環境衛生学
・ライフサイエンス特別実習(分担)
・分子疫学(分担)
[獣医保健看護学科]
・情報リテラシー
・動物公衆衛生学
[獣医学部共通科目]
・専門英語IIA(分担)

メッセージ

公衆衛生学教室では、実験手法だけでなく、統計解析についても学べます。統計解析は、実験でも、臨床でも、行政でも、客観的解析手法として使用できますので、種々の統計解析手法を学べば、将来的に役立てることができます。また、紹介で述べたように公衆衛生学には、実社会に関連することや行政が実施していることが多く含まれます。能登半島地震による高齢者の健康被害や、黄砂やPM2.5などの大気粉塵による健康影響などの研究を実施してきましたので、これらのテーマに関するお話しもできます。当講座に興味のある方は、研究室までお越しください(連絡ください)。

配置

獣医学教育病院棟4階424(神林)、421(高橋)

髙橋 秀和准教授

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