2021年度研究業績

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2022/3/24

水野理介教授(獣医学科・獣医薬理学講座)は、公益財団法人ソルト・サイエンス財団より一般公募研究(医学分野)助成を獲得しました。
研究題目は、「腎臓排出リンパ管の局所RASは食塩感受性高血圧症の治療標的となる」です。本研究では、腎内リンパを腎外に排出する腎臓排出リンパ管における局所Renin-Angiotensin-System(RAS)の生理学的役割を解析し、さらに食塩感受性高血圧症におけるRASの変調を明らかとする。そして、この高血圧の発症機序に腎臓排出リンパ管のRAS異常という新たな要素を加え、腎臓排出リンパ管がその治療標的となることを創生する。

2022/3/17

獣医学部では工学部や新情報理工学部との連携を進めており、動物のQOL向上を目指したデバイス開発を行っています。工学部赤木徹也教授が講師となり、3月17日に今治キャンパスにおいてマイコンプログラミング塾が開催されました。工獣連携プロジェクトを進めている獣医保健看護学科佐伯先生、宮部先生,獣医学科竹谷先生、朱(あかし)先生が参加し、デバイスとの通信や環境設定の方法、様々なセンサーを用いた新しい研究の可能性などを議論しました。「情報 X 獣医」というユニークな研究の軸が生まれつつあります。

2022/3/11

獣医保健看護学科野原先生、佐伯先生、獣医学科松田先生、松井先生、三井先生、大西先生が愛媛県産業技術研究所と連携して進めている「愛媛県ペット等産業参入促進事業(HimePetプロジェクト)」の第1回研究進捗報告会が3月11日にオンラインにて開催されました。令和3年度よりスタートした3つの研究プロジェクト(工業加工品、農産物加工品、紙製品)はいずれも商品化へ向けて成果を積み上げています。次年度より獣医保健看護学科古本先生が第4のプロジェクトを開始します。獣医学部ではHimePetプロジェクトを通じて愛媛県の新規産業育成に貢献することを目指しています。

2022/2/17

獣医実験動物学講座の伊豆弥生准教授の順天堂大学医学部整形外科との共同研究で発表した論文「Collagen XII deficiency increases the risk of anterior cruciate ligament injury in mice」が、骨代謝学会の1st Authorで紹介されました。本研究では、XII型コラーゲンが前十字靭帯断裂の新規リスクファクターとして有用であることを明らかにしました。本研究結果は、獣医学科の藤原渓さんと米田大珠さんが準正課プログラム(iLAP)で行ったものです。

本研究成果に関するURL:

http://www.jsbmr.jp/1st_author/463_yizu.html

2022/1/7

【SSH x i-LAP】昨年に引き続き、2021年12月17−24日にかけて愛媛県立西条高校2年生5名が今治キャンパスにて江藤真澄教授(獣医生化学講座)の指導をうけて西条市で捕獲された野生シカの食性解析を行いました。本研究は同校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)プロジェクトの一環であり、i-LAP(ラボ研修プログラム)に所属する獣医学科2年生宮川ゆいさんと1年生下島優希さんが高校生の実験を手伝ってくれました。今後も獣医学研究を介した地域貢献を目指していきます。

2021/12/27

令和3年12月23日、獣医学部とフロンティア理工学研究所の教員が岡山キャンパスにて合同研究コロキウムを開催しました。第1回目となるコロキウムでは、平野副学長による開会の挨拶のあと、情報科学科、情報工学科、フロンティア理工学研究所の教員の研究発表に引き続き獣医学部教員10名が臨床・公共獣医事・ライフサイエンス分野における課題を提案しました。発表の前後に行ったフリートーク、パネルディスカッションでは情報X獣医の異分野コラボの可能性を参加教員で共有できました。岡山理科大学の工獣連携事業の一環として始まった情報X獣医の共同研究より、AIによる機械学習やインターネット情報の解析技術を利用した新しい研究領域が創成されることが期待されます。

また、12月22日に工学部知能機械工学科(来年度より情報理工学科着任予定)の赤木徹也教授が今治キャンパスに訪れ、獣医保健看護学科と獣医学科教員と開発を進めている獣医療関連デバイスの試験を行いました。岡山理科大学にて推進している「情報理工 X 獣医」連携事業の魁となるこのプロジェクトでは獣医看護技術の訓練や獣医療に関する多様な課題に取り組んでいます。

2021/12/27

古本 准教授(獣医保健看護学科)らの研究成果“Effects of Multimodal Analgesic Protocol, with Buprenorphine and Meloxicam, on Mice Well-Being: A Dose Finding Study”が、動物に関する総合学術誌であるAnimalsに掲載されました。本研究ではマルチモーダル鎮痛プロトコールがマウスの外科手術に伴う疼痛に鎮痛効果があること、さらに外科手術に伴う疼痛以外に麻酔や鎮痛の投与手技、麻酔薬や鎮痛薬も周術期のマウスの福祉に影響することを示しました。今回の成果は前田講師(獣医学科)、糸井助教(獣医学科)、野原助教(獣医保健看護学科)、佐伯講師(獣医保健看護学科)、神田准教授(獣医学科)の共同研究です。

本研究成果に関するURL:

https://www.mdpi.com/2076-2615/11/12/3420

2021/11/26

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科分子硬組織生物学研究室の大谷昇平先生、伊達悠貴先生、伊藤公成教授らと本学獣医実験動物学講座の梶川修平助教の共同研究の成果が、Oncogene誌(IF:9.867)に掲載されました。論文のタイトルは「Runx3 is required for oncogenic Myc upregulation in p53-deficient osteosarcoma」です。本研究では、様々ながんにおいてがんを抑制している転写因子Runx3が骨肉腫ではがん促進に寄与していることをヒトの骨肉腫患者検体や様々な遺伝子改変マウス等を用いて明らかにしています。本研究成果は、四肢の切断を余儀なくされることが多い骨肉腫の新たな治療方法の発見、開発へつながることが期待されます。

本研究成果に関するURL:

https://www.nature.com/articles/s41388-021-02120-w

2021/11/26

獣医学科水野理介教授松田彬講師江藤真澄教授は愛媛県産業技術研究所が主催した第1回愛媛県ペット産業参入セミナーにおいて講演しました。セミナーに参加した愛媛県内の食品、繊維、化粧品関連企業20社に、獣医学部と愛媛県が2021年度より開始した共同事業の解説と個別相談を行いました。この事業を通じてすでに複数の愛媛県と地元企業との産学官共同研究が開始されています。この獣医学部が提供する新しい産業への参入支援については愛媛新聞社の記事に紹介されました。

本研究成果に関するURL:

https://www.ehime-np.co.jp/article/news202111160140

2021/10/13

獣医学科実験動物学講座伊豆弥生准教授が日本骨代謝学会フロンティア研究者助成に採択されました。骨代謝学やそれに関連する生命医科学の新しい展開を切り開く、今後の研究加速が期待されるフロンティア研究として評価されました。

2021/9/8

伊豆弥生准教授(獣医学科・実験動物学講座)、新井清隆助教(獣医学科・外科学講座)と順天堂大学医学部整形外科の共同研究成果が、Journal of Clinical MedicineのSpecial Issue “Strategies for the Prevention of Knee Osteoarthritis”に掲載されました。論文タイトルは” Collagen XII Deficiency Increases the Risk of Anterior Cruciate Ligament Injury in Mice”です。1年生から参加可能な準正課プログラムであるiLAPを利用して獣医学科の藤原渓さんと米田大珠さんが参加した本研究では、XII型コラーゲンが前十字靭帯断裂の新規リスクファクターとして有用であることを明らかにしました。伊豆先生が現在進めている12型コラーゲン研究のさらなる発展が期待されます。

本研究論文に関するURL
https://www.mdpi.com/2077-0383/10/18/4051

2021/9/7

中村翔講師(獣医学科・動物衛生学講座)がアジア獣医科大学協議会(AAVS)の2021年「The Kei-ichiro Maeda Memorial Ise Award 2021」を受賞しました。この賞は、AAVSに加盟する機関から推薦を受けた40歳以下の将来有望な若手研究者に贈られる賞です。研究課題「Basic and applied research on neuroendocrine control of mammalian reproduction」は、哺乳類の繁殖機能を制御する神経内分泌の基礎研究の 成果を応用研究へと発展させることを目指すもので、畜産分野あるいは生殖医療に寄与する研究として評価されました。今後の中村先生の研究の発展が期待されます。

今回の発表に関するURL
https://aavs.jpn.org/about/kei-ichiro-maeda-memorial-ise-award/award-winners-2021/

2021/9/7

清水 動物看護師(獣医学教育病院)と神田 准教授(獣医学科・獣医麻酔科学講座)の研究成果”Effects of Pre-Anesthesia Anxiety on Propofol Induction Dose in Cats”が、動物に関する総合学術誌であるAnimals に掲載されました。本研究では、猫が自身の行動を変化させるような不安を麻酔前に感じていても、必要な麻酔薬の用量に変化がないことを明らかにしました。

本研究論文のURL
https://doi.org/10.3390/ani11072126

2021/9/7

佐伯香織 講師(獣医保健看護学科・伴侶動物看護講座)らによる動物看護に関する事例報告が、動物に関する総合学術誌であるAnimalsに掲載されました。本事例では、放射線治療を受けた犬の体表温度をサーモグラフィを用いて測定し、照射後にはその部位の表面温度が上昇している臨床報告です。放射線治療に伴う動物への負担を客観的に評価することで、より適切な看護が実践できるようになることが期待されます。今回の獣医学教育病院獣医療チームの成果発表は、久楽講師(獣医・内科Ⅰ)、岩田教授(獣医・行動治療)、宮部助教(獣保・伴侶動物看護)、清水動物看護師(獣医学教育病院)、和田動物看護師(獣医学教育病院)、大西助教(獣医・外科)、松田講師(獣医・内科Ⅱ)、下川准教授(獣医・臨床病理)、浅沼教授(獣医・腫瘍放射線)の共同研究です。

本研究論文のURL
https://doi.org/10.3390/ani11092496

2021/9/7

朱 助手(獣医学科)が第102回日本獣医麻酔外科学会オンライン学術集会において行った研究発表が優秀賞を受賞しました。受賞演題名「ニカルジピン定量持続静脈内点滴はセボフルラン麻酔下の犬において最小肺胞内濃度に影響せずデクスメデトミジンによる心血管系副作用を改善する」では、血管拡張薬であるニカルジピンを用いることで、デクスメデトミジンに起因する循環機能への影響が軽減可能であることを示しました。なお、本研究には鳥取大学の村端准教授、津野氏、金澤氏、日笠教授、今川教授が共同研究者として関わっています。

本研究成果に関するURL
https://www.jsvas.net/conference/award_list.html

2021/9/2

向田昌司講師(獣医学科・獣医薬理学教室)らの研究成果が、米国薬理学会機関誌Journal of Pharmacology and Experimental Therapeuticsに掲載されることとなりました。本研究は、腸内フローラの異常により産生される細菌毒素が血管機能や血圧調節機構に影響を及ぼす可能性を指摘したもので、”Streptococcal Exotoxin Streptolysin O Causes Vascular Endothelial Dysfunction Through PKCβ Activation”というタイトルで掲載されます。本成果は、2019年度OUSプロジェクト研究推進事業のメンバーである中村翔講師(獣医・動物衛生)竹谷浩介講師(獣医・生化)松田彬講師(獣医・内科)、矢野嵩典助教(理・生物化学)と獣医薬理学教室の準正課プログラムiLAPの学生とともに進められ得られたものです。本研究成果を起点とし、向田先生が現在進めている腸内フローラ研究のさらなる発展が期待されます。

本研究論文のURL
https://jpet.aspetjournals.org/content/early/2021/08/13/jpet.121.000752.long

2021/7/12 獣医学科・獣医生化学講座の田中良法助教は公益財団法人武田科学振興財団より医学系研究助成(精神・神経・脳領域)を獲得しました。研究題目「核タンパク質TDP-43の細胞質内蓄積におけるプログラニュリンの役割」では、プログラニュリンタンパク質の減少が前頭側頭葉変性症や筋萎縮性側索硬化症の一因となる核タンパク質TDP-43の細胞内蓄積を引き起こすメカニズムの解明に挑みます。田中助教の今後の研究の発展が期待されます。
2021/7/1 第53回日本結合組織学会において、獣医学科3年の櫛笥悠人さんが研究課題「XII型コラーゲンは脂質代謝を制御することで筋肉を維持する」をポスター発表しました。準正課プログラムiLAPを使い獣医実験動物学講座の伊豆准教授の指導の下、獣医毒性学講座の齋藤文代准教授獣医薬理学講座の水野理介教授と行った共同研究において、細胞外マトリクスであるコラーゲン分子が臓器間クロストークに関与し、筋肉を制御する新たな制御機構を解明しました。
2021/ 向田昌司講師(獣医学科・獣医薬理学教室)は、公益財団法人三島海雲記念財団より2021年度学術研究奨励金を獲得しました。三島海雲記念財団は、人類の福祉に貢献する自然科学と人文科学への研究助成を行っており、向田講師は、自然科学部門での採択となりました。研究内容は、「⼝腔・腸内Streptococcus属と動脈硬化病変との関連解明」であり、食の科学の進展に寄与する研究として評価されました。今後の向田先生の腸内フローラ研究の発展が期待されます。
2021/6/16 獣医生化学講座江藤教授竹谷講師は獣医形態学講座松井准教授および米国トーマスジェファソン大学北澤研究員,岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科徳光教授グループと行った研究論文がAmerican Journal of Physiology-Cell Physiology誌に掲載されました。タイトルは「A temporal Ca2+-desensitization of myosin light chain kinase in phasic smooth muscle induced by CaMKKß/PP2A pathways」です。この共同研究では、長年謎とされていた消化管平滑筋に特徴的な一時的なカルシウム脱感作反応が新しいカルモジュリンキナーゼカスケードによって制御されていることを分子、細胞、組織レベルにて証明しました。この研究成果はヒトや動物に生じる消化管機能障害機序解明の手助けになると期待されます。また本研究には獣医学科1期生勝木秀一さんが準正課プログラム(iLAP)を使って参加しました。論文のURLは次の通りです。https://doi.org/10.1152/ajpcell.00136.2021
2021/6/4 獣医学科・獣医生化学講座の田中良法助教は公益法人ウエスコ学術振興財団研究活動費助成を獲得しました。研究題目「認知症原因タンパク質プログラニュリンによるオートリソソーム形成制御機構の解明」では、田中助教が世界をリードするプログラニュリンタンパク質と認知症との関連解明に挑みます。ヒトと共にペットの高齢化が進む中、獣医学部学生と進める田中助教の今後の研究発展が期待されます。
2021/6/4 伊豆弥生准教授(獣医学科・実験動物学講座)が公益財団法人森永奉仕会の令和2年「森永賞」を受賞しました。森永賞は、日本獣医学会、日本小児科学会などから推薦を受けた研究課題において、最優秀課題に贈られる特別賞です。伊豆准教授の研究課題は、小児希少疾患であるミオパチー型エーラス・ダンロス症候群の病態解明を目指すもので、小児の健康増進に寄与する研究として評価されました。今後の伊豆先生の研究の発展が期待されます。

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