第5回市民公開講座
市民公開講座:平成30年12月15日に、第5回市民公開講座を本学学部棟2階の講義室で行い、55名の方の参加がありました。本学教員を主体とする公開講座としては、前回(10月20日)に引き続いて2回目となります。今回は、動物およびヒトの感染症をとりあげ、2名の先生方から講演をしていただきました。
一人目の演者の宇根有美教授からは、「基礎から学ぶ動物の感染症」のテーマで講演が行われました。まず、総論として、動物由来感染症にはどういうものがあるか、その種類、宿主、特徴、感染の経路等につき説明がなされ、続いて、マダニ由来ウイルス(SFTS)を含め13種の人獣共通感染症の感染事例について説明が行われました。その中で、SFTSの発症は、西日本に多いことより、聴衆の方の関心も高く、マダニにかまれないようにする対策について、活発な質疑応答がなされました。
二番目の演者の渡辺俊平准教授からは、「麻疹(はしか)ウイルスから考える感染症」のテーマで講演が行われました。麻疹は、効果的なワクチンが開発され根絶が可能といわれながらも、依然として日本や先進国で麻疹(はしか)の流行が発生しているため、ウイルス感染症の制圧に向けた課題が紹介されました。また、はしかウイルスに近縁な動物のウイルスとして、2011年に根絶された牛疫並びにまだ根絶には至っていないイヌジステンパーについて紹介され、動物ウイルス制圧の課題や取り組みについても紹介されました。
講演後の出席者の方々からのアンケート調査で、概ねわかりやすかった、引き続き、継続して公開講座を開いていただいきたい旨の意見を多数いただき、今後も本学職員による公開講座を(原則偶数月、第3土曜日)通じて、市民の方との交流を深めてゆきたいと考えます。