産業動物とは肉・乳・卵などの生産物(畜産物)を利用するために飼育している動物のことで、具体的には牛・豚・馬・鶏・羊・山羊 (やぎ) などのことで、一般的に家畜・家禽 (かきん)と呼ばれています。畜産物は良質な動物性タンパクの供給源として不可欠ですが、食の安全と安心には産業動物が健康であることが大前提です。産業動物学講座では、“産業動物の疾病治療や予防によって健康をいかに守るか”だけでなく、“産業動物が本来持つ能力を十分に引き出し、生産性をさらに向上させるにはどうすればよいか”、といったことについて研究しています。
研究
産業動物臨床学部門
・牛の乳房炎は最も頻発している疾病で、治療に使われている抗菌剤使用量も最大であるため予防が極めて重要です。そこで、現在取り組まれている方法では予防できない乳房炎に対する新たな予防戦略の開発を目指しています。
・山羊や羊などの中型家畜は、近年国内での飼養頭数が増加しており、将来的に畜産物としての需要が高まる可能性があります。他の主要家畜に比べて国内における知見の少ないこれらの家畜について、疾病の浸潤/発生の状況を把握し、その防除による生産性の向上を目的とした研究をしています。
臨床繁殖学部門
・子宮内膜炎と卵巣機能障害(卵巣嚢腫,卵巣静止,および排卵障害など)は主要な繁殖障害です。このメカニズムについて探求することで,繁殖成績向上に貢献をしたいと考えています。
主な担当講義・実習
産業動物臨床学
産業動物臨床実習
獣医臨床繁殖学
獣医臨床繁殖学実習
獣医臨床薬理学(分担)
メッセージ
近年,産業動物獣医師や公務員獣医師の不足が全国的に課題となっています。講義や実習を通して産業動物臨床や繁殖学の魅力を学生さんに伝え,産業動物獣医師や公務員獣医師の仕事に興味を持っていただきたいと考えています。