野生動物学講座 Laboratory of Wildlife/ Forensic Pathology

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本教室は2019年4月1日に開設された新しい教室で,野生動物学・野生動物医学,さらに動物の死因に関する究明を目的とした獣医法医学を研究する教室です。
特に獣医法医学教室に関しては,我々の知る限りにおいて,日本,さらにアジア各国の獣医学部においても,恐らく初めて設立された法医学の研究室で,動物の犯罪科学Climinal Science (CIS)を目的とした挑戦的な教育および研究が期待されます。

教室の創立者の柳井 德磨 教授は長年,アジアにおける野生動物保全と獣医法医学のネットワーク形成 (アジア保全医学会Asian Society of Conservation Medicine(ASCM)およびアジア獣医法医学会Asian Society of Animal Forensic Pathology (ASAFP))に努めて活動を続けてまいりました。そのため,本教室の究極の目標としては,アジアにおける野生動物保全および獣医法医学の拠点の一つとして活動し貢献することです。そのため,当教室のロゴマークにはアジアに広く分布し人々から愛されているカワウソをシンボルとしました。アジアにおけるカワウソの保全活動および動物の遺体科学に貢献したいと考えます(ちなみに四国は日本カワウソが最後に見られた土地です)。

研究室に所属して頂ければ,柳井が現在コーディネーター(Chair)を務めるWildlife DiseaseAssociation Asia Pacific Section(WDA-AP)を中心にアジアにおける野生動物保全の学会に参加いただく機会もあるかと思います。今までに,タイを始め,ネパール,ミャンマー,ベトナム,台湾),ボルネオ,バリ(昨年)などアジア各国で国際学会を開催し,アジア各国の野生動物の研究者や学生諸君と広く深く交流してきました。また,2017年からはヤマネコを中心としたアジア野生猫科動物保全ワークショップAsianWildcat Conservation Workshop (AWCCN)を日本(対馬,西表),アジア(台湾,ベトナム)で開催しております。

我が国からもアジアの野生動物保全に若い人が参加し貢献してくれることを願っております。
社会の変化に伴い,獣医学は未知の分野に踏み出しており,日々学びの連続です。是非,一緒に歩んでくれる若人に教室に来ていただければ幸いです。

担当講義・実習

令和元年4月から「野生動物学」の授業をスタートさせました。今後は「国際獣医法医学」をスタートさせる予定です。将来的には四国の野生動物を対象にした「野生動物学実習」を行う予定です。

メッセージ

1992年以来,岐阜大学にて野生動物および動物園動物の法医病理学研究を行ってきました。特に,野生動物保全の大敵となる感染症の研究では,1993年,世界に先駆けて,動物園で死亡したトムソンガゼルから,新種の脳炎ウイルス,ウマヘルペスウイルス9型(EHV-9)を同僚と発見しました。EHV-9は,げっ歯類,偶蹄類,伴侶動物である犬や猫,新世界ザルに劇症の脳炎を引き起こすことを確認し世界に情報発信しました。一方,野生動物での種々の寄生虫性疾患につき,特にヤマネコ,ツキノワグマおよびホンドテンのパトゾーン症に着目して,その遺伝的起源について検討しています。 一方,医学に比べて遅れている獣医法医学について,死因不明の遺体の解剖と法医学的検査を積極的に行い,各地の警察から依頼されたCISを含めた死因の基礎的情報を収集し,動物のための法医学の学問的基盤の確立に努めています。また,絶滅危惧種であるヤマネコ類や猛禽類の保全には,死因の情報がその保全には不可欠です。 これらの研究分野には,若い人の力が必要です。是非,共に新しい学問分野の開拓に挑戦しましょう!

野生動物学講座のホームページ

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四国自然文化保全研究会のホームページ

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配置

病院棟4階425室

野生動物学講座 教員紹介

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