神田 鉄平教授

学位

専門分野

獣医麻酔科学

研究分野

  • 獣医麻酔科学
  • 周麻酔期動物看護学

メッセージ

獣医学科では、獣医療における麻酔および疼痛管理について学ぶ獣医麻酔科学という科目を担当しています。麻酔は、ただ動物を”眠らせる”だけの行為ではありません。外科手術に伴う麻酔には、動物を不安や恐怖、そしてなにより痛みから解放し、その間の安全性を徹底的に確保することが求められます。また、対象が必ずしも治療や検査に協力的ではない獣医療においては、外科手術以外にもCT/MRI検査をはじめとした様々なシーンで麻酔・鎮静への要求が非常に大きなものとなっています。

さらに、麻酔の内容が術後の回復にも関わってくることが理解されてきた現在では、麻酔を施している間だけでなく、その前後の時間を含めた期間を周麻酔期と呼び、周麻酔期の動物看護”周麻酔期看護”の概念についても注目が集まっています。

麻酔科診療は、獣医師だけでなく動物看護師による貢献が不可欠であり、まさにチーム獣医療を必要とする分野でもあります。分担するチーム獣医療学(アドバンス科目)では、これらについて獣医学科・獣医保健看護学科両方の学生が共に学びます。また、獣医保健看護学科でも麻酔に関連した講義と実習を分担しています。

学部での教育内容は、獣医学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠して、麻酔および疼痛管理に加え、心肺脳蘇生や集中治療の基礎的な知識・理論を習得することが目標となっていますが、アドバンス科目や卒業研究ではそれらに縛られず、より発展的で自由な研究・勉強ができるように力を尽くしたいと思います。

研究内容

より安全であり、動物にとってより快適な麻酔を実現するために、獣医麻酔科学と動物周麻酔期看護学の分野を中心に据えた研究に取り組んでいます。特に、獣医療において鎮静・鎮痛を目的に利用されることの多いα2-アドレナリン受容体作動薬に関する研究を精力的に進めており、これまでには、同薬物が様々な動物における涙液分泌を含む眼関連機能に与える影響[12]や、全静脈麻酔への応用[3]、点眼による鎮静・抗不安作用の検討[4]などについて報告しています。さらに、麻酔中の体温管理や麻酔前の不安の管理といった周麻酔期に必要な動物看護の実践[5]についても、動物看護師と連携して研究を行っています。

今後は、臨床獣医学に限らない様々な分野と連携したプロジェクトチームを編成し、研究テーマを発展させていきたいと考えています。勿論、獣医麻酔やその研究に興味のある学生からのコンタクトも大いに歓迎します。

連絡先:t-kanda[a]ous.ac.jp ([a]を@に置き換えたものがメールアドレスです。)

研究業績

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