2025/7/31 |
小野 岳人講師 (創薬学講座) は、一般社団法人日本骨代謝学会 若手研究者助成に採択されました。本研究助成は、骨代謝学とそれに関連する生命科学領域において、革新的な研究を行う若手研究者を支援するものです。研究テーマは「骨再生誘導γδT細胞のTCRレゾンデートル」です。小野講師はこれまでにγδT細胞という特殊なT細胞が骨の再生に重要であることを示しました (Ono, Nat. Commun., 2016)。しかし、この細胞のT細胞受容体 (TCR) の存在意義がどこにあるのかについては、未だ明らかになっていません。本研究の遂行により、γδT細胞の特殊性や重要性に関する新たな知見が得られることが期待されます。 |
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2025/7/26 |
オーストラリアの獣医師プレイフォード先生が講演 — 岡山理科大学獣医学部とオーストラリアをつなぐ特別講義 2025年7月23日、獣医学研究科の大学院総合講義において、オーストラリアの獣医師でありDAWBUTS Pty Ltd「動物株式会社」と読む)の社長でもあるマシュー・プレイフォード先生をお招きし、特別講演が行われました。講演では、「オーストラリアにおける家畜の寄生虫感染の基礎と現状の課題」をテーマに、現地での具体的な感染事例や防除対策、研究開発の最前線について、豊富なフィールド経験に基づいた実践的なお話をいただきました。英語での講義の中ではユーモアを交えたクイズも実施され、正答者には先生から景品が贈られるなど、終始和やかな雰囲気で進行。大学院生のみならず学部学生も参加し、活発な質疑応答と国際的な視点からの議論が交わされました。プレイフォード先生は現在、岡山理科大学獣医学部の客員研究員として今治市大島に在住。日本との交流と獣医学教育に深い関心を持つ親日家です。今後もプレイフォード先生との交流を通じて、岡山理科大学獣医学部はオーストラリアの獣医療との教育・研究連携をさらに強化していきます。 |
2025/7/26 |
獣医保健看護学専攻修士課程2年の石橋成豊さん(指導教員:米加田徹准教授)の研究成果が、国際誌「Journal of Virological Methods」に採択されました。本研究は、2020年以降、原因不明の大量死が発生していたマダイ稚魚に注目し、次世代シーケンス解析により新規魚類ポックスウイルス「Japanese seabream poxvirus(JSPV)」の全ゲノム(308kbp)を同定したものです。JSPVは338個のORFをもち、サケ鰓ポックスウイルスとコイ浮腫症ウイルスとの間に中程度の相同性を示しました。また、ウイルスの分類に有用なI7L遺伝子を標的とするPCR法を開発し、JSPVをI・IIの2系統に、さらにI系統をIa・Ibに細分できることを示しました。地元愛媛県の基盤産業の一つである真鯛養殖業における病原体診断や対策に貢献することが期待されます。 https://authors.elsevier.com/a/1lUdVbm%7EZcCC7 上記リンクより、2025年9月13日までは論文の全文閲覧およびPDFファイルのダウンロードが可能です。 |
2025/7/22 |
小野 岳人講師(創薬学講座)は、公益財団法人 戸部眞紀財団の研究助成 (2025年度) に採択されました。本研究助成は、日本国内の研究機関における体育学/スポーツ科学等の分野の研究に対して助成を行うものです。研究テーマは『運動模倣薬を用いた「安静下での運動療法」による骨折治療法の開発』です。運動をすると骨が強くなることからわかるように、力学的な刺激は骨芽細胞による骨形成を促進します。これは骨折治癒でも例外ではありません。しかし、骨折治癒に際しては安静による骨片の安定化が優先されるため運動療法は実施できません。本研究では、運動と同等の刺激を骨芽細胞に与える薬物を開発することで「安静下での運動療法」の実現を目指します。骨折は寝たきり化の主要な原因の一つであり、本研究成果は骨折の治療期間の短縮を通じた寝たきり防止につながることが期待されます。 |
2025/7/18 |
獣医学科微生物学講座の渡辺准教授が国立感染症研究所の加来博士らチーム、東京農工大、フィリピン大らとの共同研究チームで実施した研究成果がEmerging Infectious Diseases誌に掲載されました。本研究では、新興感染症であるニパウイルスに対する抗体の保有調査をフィリピンのコウモリにおいて行いました。ニパウイルスは東南アジアに広く分布し、WHOが世界で優先的に研究開発に取り組むべき対象病原体に指定されています。フィリピンでは2014年にミンダナオ島にて発生が報告されていましたが、それ以降は疫学的な調査は行われていません。本研究では自然宿主であるコウモリの抗体保有状況を調べることで、フィリピン国内での分布がミンダナオ島に限られないことが初めて明らかになりました。本研究で得られた知見を基に今後さらに同ウイルスの生態に関する研究が進展することが期待されます 本研究成果に関するリンク:https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/31/8/25-0210_article |
2025/7/1 |
岡山理科大学獣医学部教育病院にて診療を行う大西章弘助教らの研究チームが,入院中のイヌの活動量や睡眠時間を測定し、術後の睡眠障害を検出する手段として活動量計「PLUS CYCLE®︎」の有用性を評価した臨床研究成果を国際誌PlosOneに発表しました。本研究では、動画観察との比較により本機器の精度が確認され,さらに白内障手術後のイヌにおいて、痛みスコアが高い群では睡眠時間が有意に短縮することが明らかとなりました。今後この機器の術後管理や疼痛評価への応用が期待されます。 本研究成果に関するリンク:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0318475 |
2025/4/14 |
学会発表・受賞報告。2025年3月9日に日本獣医生命科学大学で開催された第65回獣医疫学会学術集会において、獣医学科6年生の渡部真菜さんが「学生優秀発表賞」を受賞しました。 発表演題は「日本沿岸域の小型鯨類の腸内細菌とそれらの薬剤感受性調査」で、日本各地でストランディングしたスナメリやイルカの腸管内容物から採取した腸内細菌を対象に、薬剤耐性の実態を調査した研究です。今治キャンパスの位置する愛媛県を含む日本の鯨類での薬剤耐性菌の実態を明らかにしていきます。本研究は、獣医学科の疫学部門の太田先生を中心に指導が進められ、本学からは奥田先生、畑先生、また長崎大学の天野先生、愛媛大学の国末先生、国立科学博物館の田島先生との共同研究として実施されました。今後の研究の進展が期待されます。 |