形態機能学講座は、 生理学・ 解剖学・ 生化学の3部門から構成されています。 これらの3部門では、国際的に活躍する教員が協力して、獣医学部の学生が最初に学ぶ基礎専門科目の教育を担当しています。講義と実習は、分子から臓器・個体レベルに至る生体の構造・機能についての学問分野を統合的に理解し、考える力を強化することを目標としています。研究面では、機能・形・分子の視点で動物を理解するための最先端研究を進めています。
生理学部門
生理学は、様々な体のはたらきのしくみを学ぶ学問です。日頃、私たちは、それほど意識しないで、視て、聞いて、嗅いで、触って、味わっています。息をして、物を食べて、体に必要なもの取り込んで、そして心臓は休みなく動き続けています。そのようなはたらきのしくみを調べ学んでいきます。そうすることで、そのしくみがうまくはたらかなくなった時、つまり病気になった時の原因を理解していくことができるようになります。
生理学研究室では、繁殖に関わるホルモンの分泌調節(生殖内分泌学)、睡眠のメカニズムと役割(睡眠科学)、動物の情動行動とそれに基づいた精神疾患モデルなどの研究を進めています。
生理学部門 教員紹介
解剖学部門
解剖学は、動物の体の形(構造)とその機能を学ぶ分野です。解剖学をしっかり学習することは、臨床獣医学や応用獣医学を学んでいくうえで重要な基盤となります。
解剖学部門は、教育面では形態機能学(肉眼解剖学・組織学・発生学)といった獣医解剖学の領域をマクロからミクロまで担当しています。研究面では「形態がもつ意味をどう考えるのか」を共通の視点として、教員それぞれのテーマで様々な器官の正常機能や疾患について解剖学的アプローチを中心に研究を進めています。
解剖学では、動物の解剖や顕微鏡による観察を通して自身の感性を通して「形態に基づいた見方・考え方」で解釈することが大切です。動物体における形が意味する法則性や機能的意義について理解を深められるよう教育・研究を行っています。
解剖学部門 教員紹介
生化学部門
分子の視点で動物の病気を観る。生化学部門では、最先端の研究成果を取り入れた分子生物学・生化学の講義や組換えDNA実験、酵素反応速度論に関する実習を通じて、将来の獣医療従事者に必要となる創造的な問題解決能力を強化し、病気の原因となる遺伝子・タンパク質に関する知識を深める教育を実践しています。研究面では、それぞれイギリス、カナダ、アメリカで研究実績を持つ3名の教員が連携し、最新の遺伝子工学、蛍光顕微鏡、疾患モデル動物、ゲノミクス・プロテオミクス手法を駆使して、神経変性疾患、腎循環疾患、血管・消化管疾患などのメカニズム解明と治療方法開発に取り組んでいます。卒業研究学生と共に行っているこれらの研究成果は、国内外の学会や国際学術誌で発表されており、その成果が新しい治療法や診断技術の開発を通じて社会や動物医療の発展に貢献すると期待されています。